「運動したから(動かしたから)痛くなった」、これは正しいのか?|横浜市中区の整体院

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【運動したから、痛くなった??】

 

こんにちは。

よこはま山手治療院、院長の中野です。

 

今回は、「運動」についてです。

日頃、患者さんとの会話の中で、よく私がお話することでもあります。

 

では、ご紹介して参ります。

運動して痛くなった?

当院では、施術の前に、患者さんに対し、「今日はどうですか?」と必ず患者さんのその日の状態を確認させていただきます。

そうすると…

「ちょっと3日前くらいに歩きすぎたから、足が痛くなった」
「ちょっと筋トレをしてみようと思ってやったら、痛くなっちゃった」
「慣れない運動をしたから痛みが出た」

こういったお声を耳にすることが多々あります。

よくあることと言えばそうなのもしませんが、結論から申し上げますと、こういった考え方は、部分的には正しいかもしれませんが、正確には間違っています。

大きく分けて(大雑把に分けると)「痛み」は2種類に分類されます。

「痛み」が起きるには2種類の原因が考えられます。

 

それは、「動かしすぎて痛めている」、もしくは「動かさなくて痛めている」かのどちらかです。

 

よく患者さんにもお話致しますが、「動かしすぎて痛めている」という方は、割合的にそんなに多くはありません。

 

アスリートの方や、かなり身体を鍛えている方、日常的かなりの運動量をこなす人でないと、「動かしすぎて痛めている」という状況にはなりにくいかと思います。

 

当院に御来院の方で多いのは、肩こりや腰痛などの「慢性痛」の症状でお悩みの方です。

 

いわゆる「慢性症状」のほとんどは、血行不良の状態、つまり動かしていないことで起こる症状です。

慢性症状の方が、運動を始めると…

小島先生 著書

この「慢性症状がある状態」というのは、血行不良の状態でありますので、動いていないことで起こる、つまり日常生活で動きが少ない、身体を動かすことが足りていない状態であるとも言えます。

 

もちろん、身体を使いすぎて日常的に痛みが出る人もいますので、一概には言えませんが、多くのケースはそうかなと思います。

 

そういった運動をする習慣がない方が、いきなり運動を始めると、「運動を始めてから痛くなってきた」とおっしゃいます。

 

しかし、それは、「運動をしたから痛くなった」というよりは、むしろ今までの運動習慣がなかったことに問題があるように感じます。

 

ですから、「運動をしてなかったから痛くなった」と考えた方が良いかもしれません。

 

ここからは、以前私がセミナーで勉強させていただいた京都の『央整形外科』の小島先生のブログを引用させていただきます。

引用~

(もともと痛みのある方は)何もしなくても痛くて歩けないと来られていたわけです。

 

しかも、当初よりも数十キロくらいは蹴る力が強くなっていて、現在も向上中だったりします。

 

なのに、「運動してから痛くなってきた」とおっしゃるのです。

 

こういう方って、当初から「変な動きして膝が痛くなった」と来院されます。

 

「運動不足が過ぎて脚が弱って痛くなってきました」と来院される方はまずいません。

 

要するに痛くなるのは行動したせいだと決める人間特有の性向に頭が支配されているんですよね。

 

どんな変な動きしたんですか?と聞くと、普通にあるいていて急にクリッてなって痛くなったとか、全然変な動きしてないんですよね。運動習慣も無く動いてなかっただけで。

 

で、筋力がしっかり上がって楽に動けるようになる前にドロップアウトされます。

 

こういう方、多くは無いですが、まあまあおられます。

 

もう、人間の性向に脳みそが支配されていて、自分の経験の記憶でさえ、その支配に勝てないんだなと。

 

もともと、運動不足、筋力不足で関節痛が起こっていても、痛くなったのは変な動きしたからだ、で、運動して改善していてもやっぱり運動したら痛くなったと。

 

いやいや前からですやんってことなんですが、行動するリスクを過大評価する性向に脳みそが支配されているので、記憶もそれに合わせて変わっちゃうわけですね。

 

人間の記憶は、ビデオカメラで撮ったように記憶されるわけじゃないんですよね。

 

記憶する時と保存する時と引き出す時の気持ちや環境の影響を受けて変わっちゃうんですが、好例ですね。

 

~引用ここまで~

運動自体が悪いわけではありません。

運動指導

なかなか厳しい書き方をされておりますが(笑)

 

改めてご紹介致します。

小島先生は、一般的な処置はほとんどせず、「患者さんに筋トレをしてもらい筋力をつけてもらうことで、症状をなくして行きましょう」という一般的な整形外科とはちょっと違う診療をされています

 

慢性的な痛みの原因は、「筋力不足」であるとお考えで、ご自身も椎間板ヘルニアをお持ちでしたが、運動を続け、完治(椎間板ヘルニアが消失)された経験をお持ちです。

 

80歳の女性であろうが、負荷をかけた筋トレを行ってもらい、痛みを完治させている先生です。

 

一般的な診療と違うことをされているので、まぁ中には批判的なことを言われることもあるのでしょう。

 

筋トレ自体は、楽なことではなく、どちらかというと「しんどいこと」ですので、中にはやりたくないといったネガティブな気持ちにもなりかねません。

 

そうした状況だと、引用させていただいたブログのような「筋トレしたから痛くなったんだ」と言われることもあるのかなと感じます。

 

しかし、筋トレをしたから痛くなったというよりは、今まで動いてなかった人が、筋肉を使えば、それは何らかの反応は起きるはずです。

 

むしろ、痛みが出てしまったのは運動してなかったからなんですよね。

 

「運動」が悪いわけではなく、「運動して来なかった身体」の方に問題があるわけです。

 

ですから、「運動して痛くなった」と考えたくなるお気持ちも、非常によく分かるのですが、それでますます運動から遠ざかってしまうと、より治りにくい身体になってしまうということです。

 

もちろん、運動をする習慣のなかった方が、少しでも運動をしようと頑張れば、それは身体は反応しますよね。

 

全く動かしていなかったところを動かせば、それは身体は抵抗もします。

 

ですから、「運動が良くない」と決めつけるのではなく、「運動の方法」を考えた方が良いわけです。

 

決して、運動自体に罪があるわけではなく、運動の方法や、運動に慣れていない身体の方が問題だったりするわけです。

 

患者さんにもよくお話しますが、「慢性的な痛みに対して、運動が有効である」という論文は多数存在しますが、「安静が痛みに有効である」という論文は一つも存在しないらしいんですね。

 

ということは、安静にしていても痛みが治るのかというと、それは科学的に否定されているんです。

 

ということは、「運動」に対しての意識も変化させていかないと…ということになります。

「疲労」も同じ?

 

これは、「疲労」に関しても同じことが言えます。

 

普段からデスクワークで、通勤以外、これと言って運動もしない。。。

 

このような方は、非常に多いと思います。

 

「疲労回復」という言葉を耳にすると、身体を休めるというイメージをお持ちかもしれませんが、普段から身体を動かす習慣のない方が、身体を休めたところで、疲労は回復しづらいでしょう。

 

なぜなら、余計に血液循環が悪くなり、疲労物質が流れにくくなるからです。

 

よく「身体を動かすとリフレッシュする」というような言い方をすることがありますね。

 

これはまさにそうで、普段身体を動かさない人が、身体を動かすために「血液循環」が良くなり、疲労物質が流れやすくなるということなんです。

 

「疲労」というと、身体を休める、安静にするイメージがあるかもしれませんが、先ほどの運動と同じで、動かした方が、疲労がなくなることは、体験からそう感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

もちろん、運動に対し、苦手意識ややり方が分からないなどの場合は、当院でも簡単な運動方法などもお教えしておりますので、お気軽にご相談ください。

 

今回は、「運動」と「筋力低下」についてでした。

この記事を書いた人

院長

 

中野 貴博(なかの たかひろ)

 

横浜市中区の整体 よこはま山手治療院 院長 あん摩マッサージ指圧師

 

当院のコンセプトである痛みや症状に振り回されることなく、やりたいことをやりたい時にできる身体作りを目指すこと」を患者さんに体現していただくため、日々活動しています。

 

昭和54年8月20日生 石川県金沢市出身(横浜在住20年ほど)

 

血液型O型

 

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